cellular/cellular-mqtt-pubsubclient

MQTTブローカーへ稼働時間を送信（パブリッシュ）しながら、購読（サブスクライブ）したメッセージを受信し、シリアルモニタに表示します。

概要

MQTTブローカーtest.mosquitto.org:1883に接続して以下の処理を行います。

• 5分周期に、稼働時間を送信します。トピックはWioCellular/<IMSI>/upstreamです。
• 購読したメッセージを受信して、シリアルモニタに表示します。トピックはWioCellular/<IMSI>/downstreamです。

送受信にはMQTTを使います。

WioCellularライブラリはTLS暗号通信には対応していません。 TLSのMQTT通信をしたいときはSORACOM Beamをご活用ください。

MQTT通信の確認方法

PCにメッセージを受信

Wio BG770Aから送信されたメッセージを確認するコマンドです。 （<IMSI>の部分はSIMのIMSIに書き換えてください。）

mosquitto_pub -h test.mosquitto.org -p 1883 -t "WioCellular/<IMSI>/downstream" -m "<MESSAGE>"

PCからメッセージを送信

Wio BG770Aへメッセージを送信するコマンドです。 （<IMSI>の部分はSIMのIMSIに書き換えてください。）

mosquitto_sub -h test.mosquitto.org -p 1883 -t "WioCellular/<IMSI>/upstream"

詳細

MQTT通信PubSubClientクラスを使います。 下記コードで、PubSubClientインスタンスを使えるようにします。

#include <WioCellular.h>
#include <PubSubClient.h>

static WioCellularArduinoTcpClient<WioCellularModule> TcpClient{ WioCellular, PDP_CONTEXT_ID };
static PubSubClient MqttClient{ TcpClient };

PubSubClientインスタンスには事前に

• MQTTブローカーのホスト名
• MQTTブローカーのポート番号
• キープアライブ間隔
• 購読したメッセージを受信したときに呼び出すコールバック関数

を設定します。

MqttClient.setServer(MQTT_BROKER_HOST, MQTT_BROKER_PORT);
MqttClient.setKeepAlive(MQTT_KEEP_ALIVE);
MqttClient.setCallback(MqttClientCallback);

MQTTブローカーへの接続はPubSubClient::connect()を呼びます。 引数でクライアントIDやユーザー名、パスワードなどを指定できます。 このサンプルはクライアントIDだけを指定しています。

接続に成功したら、購読するトピックをPubSubClient::subscribe()で設定します。 既に設定済みであっても再接続したときは再度設定する必要があります。

MqttClient.connect(ClientId.c_str());
MqttClient.subscribe(SubscribeTopic.c_str());

接続している間は、必ず定期的にPubSubClient::loop()を呼んでください。 購読しているメッセージの受信やキープアライブを処理するためです。

MqttClient.loop();

購読したメッセージを受信するとPubSubClient::setCallback()で設定したコールバック関数が呼び出されます。

コールバック関数の引数でトピックとメッセージ、メッセージ長が渡されます。

static void MqttClientCallback(char* topic, byte* payload, unsigned int length) {
  ...
}

メッセージの送信はPubSubClient::publish()を呼びます。

MqttClient.publish(PublishTopic.c_str(), str.c_str());

このサンプルは購読したメッセージを受信するため常時接続していますが、ネットワークやサーバーの事情で接続が切れてしまうことがあります。 突然の接続断にもきちんと対処しておきましょう。

void loop(void) {
  if (!MqttClient.connected()) {
    if (!MqttClient.connect(ClientId.c_str())) {
      // 接続エラー
    } else {
      // 接続成功
    }
  } else {
    // 接続中
    WioCellular.doWork(10);
    MqttClient.loop();
    if (!MqttClient.connected()) break;
  }
}